2023.09.08
【Blog】RaceではなくLifeな自転車。Steel Era / スティールエラ ローフィニッシュ
自転車のフレームに大振りなコマーシャルロゴ。
トップシェイプに仕上がった、締まった身体にサイクルジャージを着こむアスリート。
自転車に乗る為に最適化されたウエアで、自転車を速く走らせてみたい。そんな憧れは誰しもが抱くものですが、最初はみんなご近所からスタートするもの。街乗りユーザーには適さない部分も多くありますよね。
シンプルな外観と走らせて楽しい自転車。自転車に跨る時ってどんな格好をしているだろう。お気に入りのスニーカー、デニム、Tシャツはみんな持ってるでしょうから、肩に力を入れずに普段着のリラックス感と、生活の中に溶け込むカッコ良さがSteel Era/ スティールエラ。”RaceではなくLifeな自転車”がテーマです。
スティールエラは軽量なクロモリチューブを用いてTig溶接され、Above Bike Storeのインハウスで加工、ペイント、組付けを行っています。細身のシルエットを持つクロモリ特有の美しいフレームワーク。地面と平行に伸びるグランドホリゾンタルのシルエットは皆さん憧れを持ちますよね。
ロングセラーで販売させて頂いているスティールエラ。
コダワリは1インチのクイルステムの組み合わせができる事。フレームだけじゃなく、ハンドル廻りも細身の印象をキープしています。 スレッデッド・ヘッドセット(ねじ切りヘッドセット)を使用し、伝統的な競輪バイクへのリスペクトで製作している細身のフレームです。
溶接の焼き色
無塗装の様にも見えますが、金属の美しい素地の色。僕たちが会社を構える京浜地区川崎のホームカラーは、あえて塗らない素地の色としてローフィニッシュ(クリアーコートのみ)で表現しました。
本来の塗装には下地にサフェーサーを塗り、塗膜との密着を高めるのが塗装手法です。
使用しているうちに少なからず、金属とクリアコートの間には錆が発生しますが、金属の錆もデザイン表現の一つと捉えています。*数年して錆が気になるようでしたら塗り替えも承りますのでご相談ください。
クロモリスチールフォークの製造工程には少し拘って製作しています。見た目には特段変わった所のないフォークですが、実はとても特別な製法で作っています。
現在もクロモリフォークの大半は、後述する製法で作られていて、中心部分のステアリングコラム、フォークブレード、ラグ、ドロップマウントに分かれ、それぞれを真鍮ロウを用いて金属接着で製作されています。それが普通の製法で、真鍮ロウが悪い訳では無いのですが、加工部材点数が多いと、製品精度だけでは補えず、どうしても強度は失われやすくなります。
フォークの強度を保つためにはどうしたら良いのでしょう。
昔からある製法のフォークが悪い訳じゃ無いですし、見て見ない振り。。
いやいや、”ココをこうすると、各段に良くなる” ”気が付いていて、前例が無いからチャレンジし無い”なんて在り得ません。
コストが掛かりすぎて大手がやらない場所や製法にこそ、僕たちの様なインハウスメーカーの存在意義が在る筈。
金属接着する面積や部材を増やすより、頑丈で軽量さを保つ為に溶接して強度を優先して、太い一本物から削り出し、ステアリングコラムを高価なワンピース構造にしました。
フォークの製作コストは約8倍ですが、 フォークの強度が増すと、フォークのフィーリングは格段に向上して、ブレーキの効きも良くなり安全性能も獲得出来ます。
些細な事ですが、自転車のエンジンはご自身の脚ですからね。ストップ&ゴーが多い場所では、スピードを載せやすい掛かりの良いフレームジオメトリーと、反応の良い剛性感の在るフォーク。そんな部分に着目して、部材の一つ一つを丁寧に使い分けて、強さと軽さを高い次元で融合させて作りました。
クイルステムは細身のシルエットが美しい。クイルステムがよく用いられるラグフォークは、ワンピース構造のコラムよりも安価に製作できます(*出来る場合が多い)が、よりレベルの高い自転車を僕達は目指しています。
同じワンピース構造の性能レベルで作られているフォークはWound Up/ワウンドアップフォークなどがあります。 ワウンドアップフォークは非常に高価なフォークなのはご存知の通りです。見た目はクラッシックなフォーク、でも中身は今のスペックを満たす。
そんなプロダクトを目指しています。
お好みの雰囲気で自転車を製作させていただいてます。
今回ご紹介したSteelEra/スティールエラのフレームセットの詳細はSteel Era フレームセット販売ページをご覧ください。
↓過去のカスタム例